化粧品にリジンが配合される理由とは?保湿力の秘密とオススメ肌も解説

サプリメントとして配合されるケースも多いリジンには、免疫力のサポートや集中力アップ、育毛効果など、嬉しい効果が期待できると言われています。毎日の快適な生活をサポートするため、積極的に摂取している方も多いことでしょう。
リジンは、私たちの生活にとって身近な栄養素の一つです。実は「飲んで体内に取り入れる」だけではなく「化粧品として肌につける」機会も多いということをご存知ですか?
リジンが各種化粧品に配合される理由と、その働きについて紹介します。リジンが配合されやすい化粧品の種類や、注意するべきポイントについてもチェックしてみてください。
目次
リジンの特徴と化粧品に配合される理由
リジンは必須アミノ酸の一つで、人間にとって非常に重要な役割を果たしている栄養素です。それにも関わらず、人間の身体の中ではリジンを作り出すことができません。バランスの良い状態を保つためには、絶えず外から、補給し続けなければいけません。
こうした性質を持つリジンは、主に「サプリメント」として注目されています。日々の食生活に自信がない方でも、リジン配合のサプリメントを上手に活用することで、健康をサポートできるでしょう。サプリメントを上手に活用していけば、体内でリジンが不足する可能性は低くなります。
しかしリジンの特徴は、それだけではありません。実はリジンは、お肌の内部、天然保湿因子(NMF)にも含まれています。
天然保湿因子は、肌に潤いを与えることで、さまざまな刺激から肌を守る役割を担っています。年齢を重ねた肌にとって、保湿力をどうキープしていくのかは、非常に重要なポイントとなります。保湿効果を持つリジンを、化粧品として肌に直接つけることで、肌のバリア機能をアップできるのです。
若い時期には、「肌の保湿力」を意識する機会はそれほど多くはないかもしれません。何もしなくても、皮膚が潤っているのが当たり前だからです。しかしこうした保湿力は、いつまでもキープできるものではありません。年齢を重ねてお肌の変化を実感し始めた際に、化粧品に配合されたリジンが大いに役立ってくれるはずです。
リジンが配合されている主な化粧品とは?
リジンが配合されている化粧品は多岐にわたります。以下はその一例となります。
- クレンジング剤
- 洗顔料
- 保湿化粧水
- 美白化粧水
- 保湿美容液
- 乳液
- 保湿クリーム
- オールインワンゲル
- マッサージクリーム
化粧品に保湿効果を求める方は多いもの。リジンは、こうした消費者ニーズに応えられる成分として、さまざまなタイプの化粧品に含まれています。
毎日基礎化粧品を使っている方にとっては、「気付かないうちに肌に乗せている成分」の一つがリジンなのです。化粧水から美容液でケアを完了するまで、使用しているすべてのアイテムにリジンが配合されていた!なんてケースもあるのかもしれませんね。
またこのほかにも、リジンはシャンプーやコンディショナーなど、髪をケアするための製品にもよく使われています。またリキッドファンデーションやリップなど、メイクアップアイテムに配合されているケースも少なくありません。「保湿効果」「潤い力アップ」と聞くと、興味を惹かれる方も多いはずです。これらの製品を開発するメーカー側にとっても、リジンは非常に便利な栄養素の一つと言えるでしょう。
配合成分名をチェックしてみよう
リジン配合の化粧品をチェックする際には、裏面の成分表示表をチェックしてみてください。「リジン」と言う名前が見つけられなくても大丈夫です。通常リジンは「リシン」または「リシンHCI」と表記されています。
また配合されている製品が医薬部外品の場合には、表示される名前が変わり「L-リジン液」となります。どちらも同じリジンですから、混乱しないようにしましょう。
リジンの安全性とリジン配合化粧品をオススメする肌質とは?
サプリメント以外にも、日常生活の中で使用するさまざまな製品の中に含まれているリジン。気付かない内に使っているケースも多いからこそ、気になるのがその安全性についてです。
先ほども説明しましたが、リジンはサプリメントとしても摂取できる成分で、その安全性は非常に高いと言われています。化粧品に配合する場合でも、リジンはもともと、人の角質層に存在するアミノ酸の一種です。人間の体内に元から存在する成分だからこそ、外から足したときにも、トラブルが起きにくいと言えます。
また化粧品配合成分で気になるのが、アレルギーについてです。
残念ながらリジンも、「アレルギーが起きる可能性がゼロ」と断言できるわけではありません。特にもともと皮膚が弱い方の場合は、注意する必要があるでしょう。
非常に可能性は低いものの、体質や肌質によってはかゆみや赤み、かぶれなどを引き起こしてしまうことがあります。全体的にみて、リジンの安全性は非常に高いと言えますが、肌質に対して不安を抱いている人は、事前にパッチテストをして使用感を確かめてみるのがオススメです。
リジンをオススメする肌質とは
リジンの特徴を踏まえて、オススメしたい肌質は以下のとおりです。
- 普通肌
- 脂性肌
- 乾燥肌
- インナードライ肌
保湿効果を持つリジンが配合された化粧品は、幅広い肌質に対して、その効果を発揮してくれます。普通肌であっても、肌の保湿機能は年々衰えていってしまうもの。リジン配合の化粧品を上手に活用することで、気になる肌トラブルを軽減できることでしょう。
乾燥肌はもちろんのこと、脂性肌が引き起こされる原因の一つも、「皮膚の乾燥」だと言われています。皮膚から水分が奪われ、バリア機能が低下することで皮脂分泌量が非常に増えてしまうというわけですね。効果的な保湿ケアを行うことで、お肌のバリア機能を整えることができれば、皮膚のお悩みも軽減できるはずです。
また皮膚の表面はベタつきが気になるものの、皮膚の内部は乾燥しているインナードライ肌は、ケアが難しい肌質の一つです。どうケアするべきか悩んだときにも、皮膚の保湿力をアップさせるケアが効果的です。リジンにそのサポートをしてもらいましょう。
先ほど挙げなかった「敏感肌」についても、リジンは効果的に働いてくれる可能性があります。肌が敏感になってしまう裏には、皮膚の乾燥が隠れているケースも多いものです。きちんと保湿をすることでバリア機能が高まれば、敏感肌を改善させられる可能性もあります。
ただし敏感肌の場合には、化粧品を使うことで皮膚にトラブルが起きてしまう可能性もあります。少しずつ様子を見ながら使用するほか、使用中に何らかのトラブルが起きないかどうか、確認しながら使用すると安心できます。
保湿効果を高めるためにはほかの成分との組み合わせが重要
皮膚内部の天然保湿因子に含まれていて、保湿効果を高めるために働いてくれるリジン。非常に魅力的な成分ですが、残念ながらリジン単体で高い保湿効果を発揮できるわけではありません。リジンはあくまでも「天然保湿因子に含まれる成分の一つ」です。リジンばかりを積極的に取り入れても、そのほかの成分が足りていなければ残念ながら保湿効果は得られないのです。
このため、多くの化粧品ではリジンとそのほかの成分を組み合わせて活用しています。
天然保湿因子には、リジン以外にも以下のような成分が含まれています。
- ヒドロキシプロリン
- グリシン
- プロリン
- セリン
- アラニン
- トレオニン
- グルタミン酸
- アルギニン
リジンと一緒に肌に届けることで、当然保湿効果はアップしますから、ぜひ意識してみてください。成分表示にこれらの成分が含まれていれば、天然保湿因子に働きかける力も強まると考えて良いでしょう。
より保湿力を高めるための工夫とは?
リジンを使った化粧品の保湿力をより高めるためには、そのほかの保湿成分と組み合わせる方法をとるのもオススメです。
特にエイジングケアを目的として化粧品を使う場合、肌をしっかりと保湿することは何よりのポイント。配合されている保湿成分がリジンだけという状況は、心もとなく感じてしまいます。
エイジングケアをする際に有効だと言われる、保湿力の高い成分としては、以下のようなものが挙げられます。
- ヒアルロン酸
- セラミド
- コラーゲン
これらの成分は、エイジングケア化粧品で見かける機会も多いもの。リジンよりも高い保湿力を持つ成分として注目されています。リジンだけではなく、これらの成分が含まれていることを確認した上で、使用する化粧品を決定してみてください。
またリジンが配合されている化粧水を使っている場合、「保湿成分が含まれている化粧水だから、これ一本で大丈夫だろう」と安易に考えるのは危険です。
いくらリジンが含まれていても、化粧水にできることには限界があります。特に化粧水には油分が含まれていませんから、油性の保湿成分を上手に活用する必要があります。
- クリーム
- シアバター
- 美容オイル
これらの製品は、お肌を油分でガードする役割を担っています。化粧水でせっかく水分を補給したあとには、それが簡単に蒸発してしまわないよう守ってあげる必要があります。油性の保湿成分は、そのために働いてくれることでしょう。
リジン配合化粧品を使うことで期待できるメリットとは?
リジン配合の化粧品を使うことで得られるメリットは、以下の3つです。
- お肌に浸透しやすい
- 敏感肌でも、比較的使いやすい
- 乾燥が原因で引き起こされる、各種トラブルの予防につながる
リジンを始めとするアミノ酸は、その分子の大きさが非常に小さいことで知られています。これはつまり、肌の表面に乗せたときに、肌の奥までしっかりと浸透していきやすいということ。表面だけが潤っているような気がするだけではなく、肌の奥から、しっかりと保湿することができるのです。イオン導入で、よりしっかりと浸透させることもできるでしょう。
また先ほども説明したとおり、肌に優しいリジン配合化粧品は、どんな肌質にも使いやすいもの。普段から肌荒れやトラブルが気になっている方にとっては、こちらもメリットとなるはずです。
最後に、女性の肌に表れるトラブルの中には、「乾燥」が原因となり引き起こされるものも多くあります。
- ほうれい線
- 目元、口元の小じわ
- 肌のくすみ
- 毛穴の黒ずみ
- 皮膚のたるみ
リジン配合のアミノ酸系化粧品を上手に使い、早期から乾燥肌対策を進めていけば、こうしたトラブルに悩まされる可能性も低くなるでしょう。また乾燥によるトラブルが起こってから、まだ日が浅い場合には、乾燥状態を改善することで、肌トラブルが気にならなくなるケースも少なくありません。
鏡の中の自分を見て、「あれ、今までと何かが違う」と感じ始めたら、積極的なケアをスタートしてみるのも良いでしょう。
一方でデメリットもある
一方で、リジン配合のアミノ酸系化粧品にも、残念ながらデメリットはあります。それは「リジン単体の保湿力を見たときには、物足りない側面もある」ということです。
できるだけ楽に肌をケアしたい!と思う方にとっては、「リジンだけではなく、そのほかの保湿成分もきちんと配合されている製品を選ぶ」「油性クリームと一緒に使う」などのひと手間が大きな負担になってしまう可能性もあります。
とはいえ、市販のリジン配合化粧品をチェックしてみると、「配合されている成分がリジンのみ」というケースはほとんどないはずです。それぞれの製品が、より保湿効果を高めるためにあらゆる工夫を行っていますから、それほど難しく考える必要はありません。
そこまで大きなデメリットにはなりませんから、ぜひ日常生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。これまでよりも、より保湿にこだわったケアが可能になります。
まとめ
アミノ酸の一種であるリジンは、サプリメントなどでもおなじみの成分です。実は化粧品などに使われているケースも多く、「もともと皮膚内部に含まれている成分であること」や「サプリメントとして摂取しても安全であること」など、安全で扱いやすい点で人気を集めています。
化粧品に配合されたリジンは、人間の皮膚の中で保湿効果を発揮してくれます。敏感肌にも優しい仕様で、多くの人に愛されている成分だと言えるでしょう。
ただしリジンそのものの保湿効果は、「非常に高い」とは言えません。だからこそ、リジン単体ではなく、そのほかのアミノ酸や、コラーゲンやヒアルロン酸といった、より保湿効果の高い成分と同時に配合されているかどうかを、しっかりとチェックして選ぶことが大切です。
リジンが配合されている化粧品は意外と多く、現在使用中の基礎化粧品をチェックしてみると、「実はリジンが入っていた」なんてケースも珍しくありません。サプリメント以外でも、リジンは私たちの生活にさまざまな恩恵を与えてくれているのですね。
リジンの効果は、「どのような形で生活に取り入れるのか」によって、大きく変わってきます。乾燥肌や肌の老化が気になるときには、化粧品に配合された成分として、リジンを取り入れてみてください。一方で体の内側からケアしたい、疲労回復効果や肝機能サポート機能を実感したい!という場合には、従来通りサプリメントから摂取するのがオススメです。
人間が自分で作り出すことができない必須アミノ酸の一つだからこそ、ぜひ継続的な摂取を前提として検討してみてください。