肌の綺麗をサポートするアミノ酸

その他のアミノ酸

アミノ酸には、さまざまな作用が期待されています。

毎日の暮らしの中のさまざまなシーンでアミノ酸が利用されていますが、スッカリ溶け込んでしまっていて、アミノ酸が使われていることにさえ気が付かないことがあります。

そこで、「肌の綺麗」をサポートするために活躍しているアミノ酸についてご紹介してみることにしましょう。

肌の綺麗をサポートする「アミノ酸」

皮膚は、大きく分けると一番奥にある部分が皮下組織、真皮層、表皮の三層になります。

そして、肌の主な原料となるのは「アミノ酸」になります。そのため、アミノ酸を過不足なく取り入れることが、美肌作りの第一歩と言えます。

つまり、アミノ酸から肌の主な成分である「コラーゲン」が作られることになりますので、美肌作りにアミノ酸が大きなカギを握っていることになります。

また、血液の中に含まれるアミノ酸の量が少なくなってしまうと肌の色が悪くなったり、肌のツヤが失われてしまったりします。血液中のアミノ酸量が増加すれば、肌にハリや潤いが出て来るようになります。

そして、肌の角質層の中にある「NMF」と呼ばれている天然の保湿成分もアミノ酸が主成分となって作られています。NMFの主な働きは肌の水分の保持、角化細胞間を支えることになりますが、シワやたるみを防止する作用もあります。アミノ酸が足りなくなってしまうと、肌の水分が発散されてしまい、その結果、肌の潤いがなくなってしまい、カサカサした状態になってしまいます。

それでは、肌の綺麗をサポートしてくれるアミノ酸にはどんなアミノ酸があるのか、確認してみることにしましょう。

アスパラギン

「アスパラギン」はタンパク質を作る非必須アミノ酸になります。

アスパラガスから1806年に発見され、最初に発見されたアミノ酸になります。名前の由来は発見されたアスパラガスに因んで命名されました。

肌の綺麗をサポートする作用として、次のような効果が期待されています。

表皮角質層内の細胞分裂促進作用

アスパラギンは、角質層の新陳代謝を促し、角質の水分を保つことで肌の潤いを維持し乾燥を防止する作用があります。

アスパラギンの他の特徴や働きについてもご紹介しておくことにしましょう。

アスパラギンは体内でエネルギーをつくり出す「クエン酸回路(TCA回路)」に関わっているアミノ酸になります。

アスパラギンは、体内でアスパラギン酸とアンモニアが結びついて、「アスパラギンシンテターゼ」という酵素が作用することで加水分解処理されて生成されます。

因みに「アスパラギンシンテターゼ」は、急性リンパ性白血病の治療に用いられている成分になります。

アスパラギン酸の摂取が不足してしまうとアスパラギンが生成されなくなってしまい、アンモニアの処理が行なわれなくなり、血液中のアンモニア濃度が上昇してアンモニアの毒性による弊害を引き起こしてしまうことになります。

アンモニアの毒は、中枢神経系に対して作用してしまうため、脳や脊髄に損傷を招いてしまう可能性があります。

運動時の持久力アップ

アスパラギンは、クエン酸回路に働きかけることによってエネルギー代謝を促す作用があります。このクエン酸回路の働きによって、疲労物質である乳酸の産生が抑えられて疲労回復と共にエネルギーが生成されます。アスパラギンは筋肉を動かすためのエネルギー源になるグリコーゲンの生成を促します。

アスパラギンのクエン酸回路での働きとグリコーゲン生成促進作用によって、アスパラギンには運動時の持久力アップを期待することが出来ます。

アスパラギンのグリコーゲン生成効果に関する実験として、食事摂取後などの血糖値が高い状態のラットに、アスパラギンとアスパラギン酸を5日間摂取させ続けた結果、筋肉のグリコーゲン濃度が高まることが確認されました。

また高脂肪食ラットに、アスパラギンとアスパラギン酸を摂取させると、インスリンに対する感受性が下がることが抑えられました。このことから、アスパラギンとアスパラギン酸には筋肉でのグルコースの生成と利用をアップして、インスリンの感受性を保つことが分かりました。

尿の排出を促す効果

アスパラギン酸とアンモニアが結びつくことによってアスパラギンが生成され、同時にアンモニアは安全な形で一時保存されることになります。つまり、アスパラギンは、体内でアンモニアが悪い影響を及ぼさないようにする作用があると言えます。

アンモニアが発生する主な原因は、腸内でタンパク質が消化されることになります。つまり食物としてタンパク質を摂取すると胃を通って腸で消化されアミノ酸に分解されることになります。この時に、アンモニアが発生してしまうことになります。

アンモニアは、神経伝達物質の働きを阻害したり、脳症などを引き起こしたりします。

更に、アンモニアにはエネルギーの代謝に関係する細胞の中のミトコンドリアの作用を妨害してしまいます。こうした事態が引き起こされてしまうと、疲労の蓄積、身体組織の劣化、免疫力の低下などが引き起こされてしまいます。

アスパラギンには、尿の合成を促すことで、有害なアンモニアを外に排出する作用があります。

丈夫な身体を生成

アスパラギンは、内臓や筋肉となるタンパク質を作るための材料となるアミノ酸です。つまり、丈夫な身体を生成するためには欠くことの出来ないアミノ酸になります。

体内のタンパク質やエネルギーが足りなくなってしまうと、人体を構成しているタンパク質を分解して、足りない分を補給しようとしてしまいます。こうした作用が起こってしまうと筋肉や血管がもろくなってしまいます。こうしたことを防ぐためにも欠くことの出来ない成分であると同時に、丈夫な身体を作る作用があるアミノ酸と言えます。

アスパラギンが多く含まれる食材には、大豆、乳製品、じゃがいも、アスパラガス、肉類などがあります。

セリン

「セリン」は、1865年にシルク・プロテインから発見された非必須アミノ酸の一種になります。名前は、シルクに含まれているセリシンの中に多く存在することに因んでつけられました。

現在では医療現場でも、肝不全用アミノ酸製剤や、高カロリー輸液用総合アミノ酸製剤などとして利用されています。

肌の綺麗をサポートする作用として次のようなものがあります。

肌の保湿と美白作用

セリンは角質層に沢山存在しているアミノ酸になる、天然保湿因子のNMFの中に一番多く含まれている成分で、肌の潤いを保持する働きがあります。

また、セリンにはメラニンの生成を抑える作用がありますので、美白効果も期待出来ます。

セリンには、こうした綺麗をサポートする作用以外にも、脳を構成する神経細胞の原料となることに関係した重要な役割や、核酸の原料となるプリンやピリミジンなどの合成に関わっています。

ご存知の方も多いとは思いますが、核酸は、体を生成する元である細胞にあり、新しく細胞を産生する時に欠くことの出来ない成分になります。核酸には、細胞をつくり出すための情報を保持しているDNAと、情報をもとにして細胞の材料となるタンパク質を産生するRNAがあります。核酸の作用としてアンチエイジング効果があります。

セリンは、若さと老化防止を握る重要なアミノ酸と言えるかも知れません。

それでは、セリンには他にどんな作用や効果があるかチェックしてみましょう。

アルツハイマー型認知症などを防ぐ作用

セリンには、脳のエネルギー源であるブドウ糖の吸収を促す脳の栄養素と呼ばれているリン脂質の一種である「ホスファチジルセリン(PS)」を産生する作用があります。

また、アセチルコリンの原料としてセリンは使われています。アセチルコリンには主な神経伝達物質として外部刺激を脳のシナプスに伝達するという働きをしています。

セリンには、脳に関する作用があることから、アルツハイマー型認知症が進んでしまうことを抑えて、健康で若々しい脳を保つ作用が期待されています。

因みにホスファチジルセリンには、記憶力のアップ、高齢化に伴う認識脳の機能ダウンや記憶障害、アルツハイマー型認知症の改善や予防効果があると言われているため、注目度の高い成分でもあります。

睡眠促進作用

セリンには、睡眠促進作用が期待されています。

また、セリンを摂取することで体内時計が調整されるというデータもあります。体内時計が乱れてしまうと、昼夜が逆転してしまったり、睡眠の質が悪くなってしまったり、睡眠障害が起こってしまったりします。

体内時計が調整されることで、睡眠のリズムが取り戻されれば質の高い睡眠を得ることが可能になります。

ある研究では睡眠に問題を感じている方を対象にして4日間続けて眠る前にセリンを3グラム摂取してもらったところ、寝つきや睡眠の質が改善されたと報告されています。2日間続けてセリンを摂取したケースでも睡眠の満足度がアップしたとの報告も行なわれていますので、かなり即効性が高いと言えそうです。

また、セリンの睡眠促進作用に関する実験として、脳室内にセリンの注入を行なったこところ、多大なストレスにさらされている新生ひよこの鎮静作用および催眠作用を誘発したというデータがあります。経口摂取によっても、慢性的なストレスに起因する症状を軽減する可能性があることも示されています。

セリンが多く含まれている食材として、牛乳、大豆、高野豆腐、イクラ、かつお節などがあります。

プロリン

「プロリン」は、非必須アミノ酸の一種になります。コラーゲンの主要な構成成分のひとつになります。

それでは、プロリンの肌の綺麗をサポートする作用について見てみましょう。

コラーゲン生成修復作用

「プロリン」は、体内でコラーゲンを生成する際に必要なアミノ酸になります。また、傷ついてしまったコラーゲンを修復する作用もあります。

そのため、プロリンが不足してしまうと、肌のハリがなくなってしまったり、しわや、シミ・そばかすが消えなくなってしまったり、お肌にとってマイナスの面が多く現れてしまうようになります。

プロリンのコラーゲン生成効果を実証する実験として、次のようなデータがあります。

ヒト真皮線維芽細胞に、プロリンを含んだコラーゲンジペプチドを200mm投与すると、ヒアルロン酸が3.8倍、皮膚線維芽細胞が1.5倍増えたということです。

このことから、プロリンを含んだコラーゲンペプチドには、皮膚の細胞の活性化だけでなく、肌の弾力に欠くことの出来ないヒアルロン酸量も増加させることが分かりました。

プロリンは、コラーゲン生成修復作用に関わることから美容面だけでなく、健康面でもさまざまな働きを行なっています。

プロリンの他の作用や効果についても見てみましょう。

関節の痛みの改善緩和作用

関節の痛みの原因のひとつとして、骨と骨の間にある軟骨の摩耗があります。軟骨は骨と骨との間の摩擦を和らげるクッションのような働きを行なっています。そして、この軟骨のおよそ半分はコラーゲンからなっています。

そのため、軟骨に含まれているコラーゲンの代謝が低下することによって、軟骨の弾力性はなくなってしまい硬くなってしまいます。軟骨が硬化してしまうと、わずかな衝撃で潰れてしまったり、擦り減ってしまったりします。

軟骨が摩耗してしまうと、骨同士が直接擦れてしまうことになってしまい、痛みを感じるようになってしまいます。

プロリンを摂取することによって、コラーゲンの合成がアップして、軟骨の新陳代謝が活性化されることで、関節の痛みが緩和され改善される作用が期待出来ます。

脂肪燃焼作用

プロリンには、脂肪燃焼作用が期待出来ます。

胃や膵臓にある消化酵素「リパーゼ」には、脂肪に作用してエネルギー源として使いやすくして、内臓脂肪や皮下脂肪を減らす働きがあります。

プロリンにはこの消化酵素リパーゼを活発化させる作用があります。そのため、脂肪の燃焼をサポートして、内臓脂肪や皮下脂肪を減らす効果があると考えられています。

また、さらに効率よく脂肪を燃焼させたい場合は、スポーツを行なう時にプロリンを摂取することで、効果はさらにアップすると期待されています。

プロリンの脂肪燃焼作用を確認する実験として、脂肪細胞(3T3-L1細胞)に、プロリンを含んだコラーゲンペプチドを加えると、脂肪細胞内の脂肪滴の割合が低下したというデータがあります。このことから、プロリンを含んだコラーゲンペプチドには脂肪を減らす作用があると考えられています

プロリンが多く含まれた食材として、豚肉・動物性のゼラチン質・小麦タンパク、大豆タンパクなどがあります。

綺麗をサポートするアミノ酸についてご紹介して来ましたが、どのアミノ酸も綺麗をサポートするだけでなく、他にもさまざまな作用があります。

アミノ酸を摂取することの最大の魅力は多角的な作用や効果を期待出来る点にあるのではないでしょうか?

一般的な薬であれば、その症状に対する解決にフォーカスしてしまいますが、アミノ酸は違います。例えば、セリンの場合は、美肌効果と共に脳の活性化や記憶力アップ、質の高い睡眠作用も期待することが可能です。一度にこれだけの作用が期待出来るのであれば、これは何とも贅沢と言えるのではないでしょうか?

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