スポーツ愛好家に話題の「BCAA」のすごい効果

スポーツ愛好家に話題のBCAA
その他のアミノ酸

アスリートの間だけでなくスポーツ愛好家の間では、「アミノ酸」の摂取は今や常識になりつつあります。中でも「BCAA」は、持久力の向上、筋肉の破壊の予防など様々な効果が期待されるものとして多くの方に取り入れられています。

「BCAA」の効果について様々な角度から探ってみることにしましょう。

 

「BCAA」とは?

まずは、「BCAA」の概要についてみておくことにしましょう。

分岐鎖アミノ酸の英語名「Branched Chain Amino Acids」の頭文字を取って「BCAA」と省略して呼ばれています。

分岐鎖アミノ酸とは、名称の通り構造が直線状ではなく、枝分かれしているためこのように呼ばれています。通常のアミノ酸は、構造が直線状になっています。

必須アミノ酸の中で分岐鎖アミノ酸である「ロイシン」、「イソロイシン」、「バリン」の3種類が「BCAA」になります。

分岐鎖アミノ酸である「BCAA」は、運動上の様々なサポート効果以外にも多くの効果が期待されています。美容面だけでなく、医薬分野でも既に取り入れられて利用されています。「肝硬変」、「糖尿病」、「メタボリックシンドローム」などの症状改善に向けて大きな期待が寄せられています。

「BCAA」の主な効果としては、次のような効果や作用が期待されています。

  • エネルギー産生作用
  • 筋肉維持作用
  • 脳の疲労緩和効果
  • 肝臓保護/改善効果
  • 運動能力維持/向上効果

それでは、期待されている効果や作用について、それぞれ、もう少し詳しく探ってみることにしましょう。

BCAAのエネルギー産生効果

BCAAのエネルギー産生
「BCAA」には、スポーツ時にエネルギーを産生する効果が期待されています。

エネルギー源となるものには、「糖分」、「脂質」、「アミノ酸」の3つがあります。それぞれに異なる特徴があります。

糖分から作られるエネルギーとしてグリコーゲンがあります。ブドウ糖を体内に貯めるために変化させたものがグリコーゲンになります。グリコーゲンの貯蔵場所は、筋肉と肝臓になりますが、それぞれ蓄えておくことが出来る量は決まっています。筋肉内にはおよそ1,000kcal、肝臓内にはおよそ350 kcalになります。

筋肉内に蓄えられているグリコーゲンは、血糖値の維持に使われることはありません。直ぐに身体を動かすことが出来るように筋肉を動かすために使われます。

これに対して肝臓内のグリコーゲンは、血糖値の維持のために使われます。肝臓内のグリコーゲンを使い切ってしまうのには、およそ13時間と言われています。

スポーツを行なうときには、先に筋肉内に蓄えられたグリコーゲンが使われますが、脂質やアミノ酸があればそれをエネルギーに変えることが出来ます。けれども十分なエネルギーを補給しないでスポーツを続けると、脳がエネルギー不足を起こしてしまって大変なことが起き始めてしまいます。

脳は活動を停止する訳にはいきませんので、脳のエネルギーを産生させるために、「筋肉」を分解してエネルギーを産生するようになります。こうしたことが起きてしまうと、筋肉が減ってしまうことになります。一旦筋肉が落ちてしまうと元に戻すのは大変です。そうならないためにも必要なエネルギーを補給することは重要なことになります。

エネルギーを産生する仕組みとして1937年にイギリスのクレブス博士によって発見されて、1953年にこの功績によってノーベル医学生理学賞を受賞した「クエン酸サイクル」が存在します。これにはいくつかの効果が存在しますが、ここではスポーツにフォーカスして見てみることにしましょう。

  • 代謝機能の活性化による体質の維持
  • 過剰緊張の緩和による精神の健全化
  • 血液乳酸量低下による内臓機能低下の防止
  • クエン酸とビタミン群の相乗効果によるエネルギー量の増大

そして、この「クエン酸サイクル」を回す燃料となるのが、「糖質」、「脂質」、「タンパク質(アミノ酸)」と言われています。

スポーツ中は、この「クエン酸サイクル」を上手く回すことが出来るかどうかが、十分なエネルギーを補給して、筋肉の分解を防止して、燃料切れにならない状態を作り出すための重要な鍵になります。

この「クエン酸サイクル」の燃料として、どうして「BCAA」がピッタリなのでしょうか?

実は、激しい運動や長時間の運動を行なって多くのエネルギーを消費した時に、糖質によるエネルギーが不足すると、筋肉中の「BCAA」がエネルギー源として消費されてしまうことになります。筋肉中の「BCAA」をエネルギー源として消費してしまわないためにも、運動前に「BCAA」を十分に補給しておくことは大切と言えます。

なんと筋肉を維持する効果も!

次に「BCAA」の筋肉維持効果について詳しく見てみることにしましょう。

人間の筋肉タンパク質中の約35%が「BCAA」になります。そのため、筋肉をつくる上で大変重要なアミノ酸と言えます。

また、「BCAA」にはタンパク質の合成を促進して、筋肉分解抑制作用があります。特に激しい運動をした後は、筋肉を構成しているタンパク質が傷ついてしまっています。「BCAA」は筋肉の筋線維を構成するタンパク質であるアクチン、ミオシンの合成を促進する作用があると言われていますので、筋肉の修復にピッタリと言えます。

タンパク質のミオシンは、収縮タンパク質に分類されていて、筋収縮時にパワーを発揮するタンパク質になります。そして駆動タンパク質として機能しています。駆動タンパク質は細胞内にある色々な構造を動作させることで、ATPの化学エネルギーを運動エネルギーに変換します。アクチンも、収縮タンパク質に分類されています。筋細胞ではミオシン分子との相互に作用することによって筋の収縮を引き起こしています。

BCAAは脳疲労をも緩和してくれる

BCAAで脳疲労を緩和
「BCAA」には脳が感じる疲労を緩和する効果があると言われています。

脳の疲労の原因にはいくつかの原因があると言われています。中でも「頭がぼんやりする」、「考えがまとまらない」と言った、頭に霧がかかってしまったような状態「ブレイン・フォグ」であれば、「BCAA」を摂取することで緩和されることが期待出来ます。こうした脳の疲労の原因となっているのが「アンモニア」だと言われています。

「BCAA」には、脳や筋肉でアンモニアを無毒化する作用があります。この作用があるため、アンモニアによる脳の疲労を軽減することが可能になります。

また、脳内にセロトニンが増加し過ぎてしまうと、疲労を感じるようになるとも言われていますが、「BCAA」を摂取することによって、セロトニンの生成を抑制する作用があるとも言われています。

肝臓の状態改善&保護にも効果的

肝臓病患者の場合「BCAA」の合成量が低下することが知られています。「BCAA」 には、肝臓の状態を改善し、肝臓の健康を助ける働きがあります。

肝硬変患者の血液中アミノ酸を分析すると、「BCAA」と「AAA(フェニルアラニン、チロシン)」の比率(フィッシャー比)が低下してしまっているという現象が現れしまいます。

つまり、「BCAA」が減少し「AAA」が増加した状態のアミノ酸インバランスになってしまっています。健常者の場合、この比率は1:1になります。

「BCAA」は筋肉で代謝されて、アンモニアの解毒を行なうと同時に肝臓のエネルギー源にもなるアミノ酸です。そのため、「BCAA」を多く摂取してAAAを減らすことによって、アミノ酸バランスを調整して、肝臓のエネルギー不足を補うようにすることで、肝臓でのアルブミンの生成を促進し、肝硬変の予後を良くすることが可能になります。

また、肝硬変によって肝細胞障害が起こってしまい尿素合成が低下し、高アンモニア血症を引き起こしてしまうことがあります。尿素回路(オルニチンサイクル)の異常によって引き起こされてしまった高アンモニア血症の場合は、「BCAA」を多く含んだ輸液を投入することによる改善が認められています。

ここで、高アンモニア血症について簡単に説明しておきます。

高アンモニア血症とは、体内でアンモニアを分解することが出来なくなってしまい、血液中にアンモニアが溜まってしまう病気です。アンモニアには毒性がありますので、アンモニアの血中濃度が高くなってしまうと意識障害などを引き起こしてしまうこともあります。

高アンモニア血症を発症する原因として、尿素回路(オルニチンサイクル)の異常、薬による副作用、血中アンモニアが上昇してしまいやすい食事の摂取などがあります。また、新生児の先天性疾患のひとつでもあります。

運動能力の維持・向上効果にも注目

運動中にエネルギーが不足してしまうと運動の持久力の低下を招いてしまうことになります。運動前に「BCAA」を補給しておくことで、素早くエネルギーを補給することが出来るため、そうした運動の持久力の低下を防ぐことが出来、運動能力を維持することが可能です。

また、運動前に「BCAA」を補っておくことによって、運動中のエネルギー不足によって、筋力を分解してエネルギーに変える現象を防ぐことが出来ますので、筋力の減少によるパフォーマンス力の低下の予防にもなります。

更に、運動後に「BCAA」を摂取することで運動中に傷ついてしまった筋力の修復や回復を早め、筋力強化につながります。そうすることによって、運動能力の向上も期待出来ます。

研究データによると、「BCAA」を摂取することによって、筋肉増強だけでなく、試合競技中の反射神経が10%改善されたいうデータもあります。

一定の筋肉量を維持するためには、普段の食事などから「BCAA」をしっかりと摂取しておく必要があると言われています。

「BCAA」の今後期待されている効果や作用

BCAAに今後期待されるのは
「BCAA」の期待されている効果や作用について見てきましたが、スポーツだけでなく医療現場でも、大きな期待が寄せられています。

肝臓への効果については、先にお伝えした通りですが、肝臓病の防止や改善にも大きな期待が寄せられて研究が続けられています。

また、「BCAA」にはインスリン抵抗性改善の効果が認められています。「BCAA」を摂取することで、急激な食後のインスリン上昇が抑えられて、グルコース代謝の改善効果もあると報告されています。こうした作用から、今後はメタボリックシンドロームの予防改善、糖尿病の予防や症状の軽減にも期待が寄せられて、研究が進められています。

「BCAA」を摂取することによって、高齢で栄養不良状態にある透析患者の食欲不振を改善したり、全体的な栄養状態を向上させたりすることが確認されています。「BCAA」の摂取によって食欲が増し、血中アルブミン値が向上し、栄養不良が改善されることが確認されています。

更に「BCAA」は、窒素バランスを改善することも知られています。

「BCAA」には母親の乳腺の乳汁合成を促進する作用も確認されています。これによって新生児の生存率や成長を促進する効果が期待されています。

今後は、医療の分野で「BCAA」を始めとしたアミノ酸の研究がますます進められて、様々な病気の予防や改善に役立てられるようになることが期待されています。

スポーツを行なう際の「BCAA」の摂取量とタイミング

「BCAA」をスポーツの中で取り入れるときに、どの位の量をいつ摂取すれば良いのでしょうか?確認してみることにしましょう。

「BCAA」は摂取してから、血液を通して筋肉などへ補給されるシステムになっています。そのため、「BCAA」の効果を確実に感じるためには、血中濃度が必要な値まで上昇する量を摂取することが重要になって来ます。

研究データによると、「BCAA」を摂取してから30分後に血中濃度はピークに達しています。2,000mg以上摂取すると、摂取後2時間経過しても摂取前の血中濃度よりも高い値をキープしていました。

けれども、1,000mg以下摂取した場合は、摂取後1時間経過すると摂取前のレベルに戻ってしまうという結果になっていました。

このことから、運動30分前から運動中に2,000mg摂取するとより効果的と言えるでしょう。

食事から「BCAA」を2,000mg摂取するには、牛肉 (70g)、マグロの赤身 (40g)、鶏卵 (2個)、

牛乳 (コップ2杯)が目安となります。

また、「BCAA」の理想的な摂取バランスは、バリン:ロイシン:イソロイシン=1:2:1と言われていますが、食事からの摂取でこの理想バランスを保つのは難しいようにも思えます。サプリメントやドリンクで補助をすることをおススメします。

普段の生活の中で「BCAA」を摂取するには

それでは、普段の生活の中で「BCAA」を摂取するにはどうすれば良いでしょうか?
バランスのよい食事が大事です
「BCAA」は、肉、魚、大豆製品、卵、乳製品などに含まれていますので、バランスの良い食事を心がけることで、補給することが可能です。

スポーツの中では、競技などを開始する時間に合わせて「BCAA」の血中濃度をMAXにしておくことが理想ですが、普段の生活ではそれはあまり必要ないのではないでしょうか?

食事から取り入れることによって、時間を掛けてジックリと吸収されることで、一定の血中濃度を維持することが出来れば問題はないでしょう。毎日の食事で「BCAA」を補うことによって、基礎体力を少しずつ底上げして行くというイメージで続けられると良いのではないでしょうか?

また、食事から摂取することで、他の栄養素も合わせて取り入れることになりますので、その点は食事から取り入れるメリットとも言えるのではないでしょうか?

とは言っても、不規則な生活を送っている場合、3食キチンとバランスの良い食事を取ることが難しいこともありますので、そんな時には、サプリメントを上手に利用して、一定の血中濃度を保つようにされることをおススメします。

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