日焼けあとにはアミノ酸で美白ケアを!色素沈着を防ぐL-システインのパワーとは?

夏が終わり、徐々に暑さが落ち着いてくる時期に、気になり始めるのが「肌が負った日焼けダメージ」についてです。しっかりと紫外線対策をしていたつもりでも想像以上に日焼けしてしまった!という方も多いのではないでしょうか。
紫外線が肌に与える影響は非常に根深く、だからこそ「予防ケアが重要」だと言われています。しかしパーフェクトな事前対策というのはなかなか難しいというのが現実でもあります。
こんなときにも活躍してくれるのがアミノ酸です。私たち人間にとって身近なアミノ酸の中から「日焼けしてしまった後のケア」にピッタリなもの、おすすめの摂取方法などを紹介します。日焼けあと、色素沈着が気になり始めたときには、美白効果のあるアミノ酸に注目してみましょう。
美白効果のある特別なアミノ酸は「L-システイン」
人間にとって、非常に身近なアミノ酸。実は人間の身体の約20%を占めているのがこのアミノ酸なのです。経口摂取されたアミノ酸は、体内でタンパク質を作り出すための原料となり、体のさまざまな部分で重要な役割を果たしてくれています。
さて、そんなアミノ酸の中でも、日焼けあとの美白効果を期待できるのがL-システインと呼ばれるものです。L-システインは、非必須アミノ酸の一種で、食物やサプリメントを通じて外から補給できるほか、体内でメチオニンから合成することも可能です。
人間の皮膚や髪、爪などに含まれているタンパク質・ケラチンを構成する成分の一つとして、美容面においても高く注目されているのがL-システインです。
L-システインを摂取することで期待できる効果は、以下のとおりです。
- メラニン色素の生成の抑制
- 肌のターンオーバーの促進
それぞれを詳しく解説していきます。
日焼けの原因となるメラニン色素を作らせない
人間の肌が紫外線を浴びて黒くなるのは、体内でメラニン色素が合成されてしまうからです。このメラニン色素は、紫外線によるダメージから肌内部の細胞を守るためのもの。人間として健康的な生活を維持していくため、非常に重要な役割とも言えます。
しかし残念ながらメラニン色素は、人間にとって嬉しい効果のみをもたらしてくれるわけではありません。日焼けだけではなく、気になるシミや色素沈着の原因になってしまうこともあり、特に女性にとっては悩ましい問題の一つだと言えるでしょう。これらの問題は、紫外線に反応してメラニンが過剰に生成されることで、引き起こされてしまいます。
紫外線を浴びたあと、肌の内部でメラニンが生成される仕組みは以下のとおりです。
- 紫外線を浴びた肌の表面に活性酸素が発生
- 情報伝達物質がメラニン色素の生成を指示
- 情報を受け取ったメラノサイトが、チロシナーゼを活性化
- 酸化したチロシナーゼが、アミノ酸の一種であるチロシンをメラニンへと変化させる
紫外線を浴びたあとの肌の内部では、このような変化が起きています。活性酸素から細胞を守るための仕組みとはいえ、メラニンが過剰に生成されてしまうのは、やはり困ってしまいます。
L-システインには、3の「チロシナーゼの活性化」を抑制する作用があるとされており、日焼け止めとしての効果が期待できます。チロシナーゼを抑えることができれば、チロシンがメラニンへと変化するのも抑制できるというわけですね。
速やかなターンオーバーでできてしまったメラニンを排出
夏が終わってすぐの時期には、非常に気になる日焼けあとですが、冬が近づくにつれて「肌が白く戻ってきた!」と感じるものですよね。これは皮膚のターンオーバーによって、皮膚表面のメラニン色素が剥がれ落ちていくからです。肌のターンオーバーが正常に行われている状態であれば、たとえ日焼けをしても、皮膚の色は徐々にもとの色合いに近づいていくでしょう。
L-システインには、メラニン排出を促し、皮膚のターンオーバーを促進させる効果も期待できます。できてしまったメラニンを速やかに体外へと排出することができれば、女性にとって嬉しい美白効果も実感しやすくなるでしょう。
また何らかの理由でターンオーバーが阻害されてしまうと、部分的にメラニン色素が排出されない、ということにもなりかねません。こうして皮膚の表面に残ってしまったメラニンは、時間をかけて色素沈着を引き起こしていきます。これが女性たちを悩ませるシミの原因になってしまいます。
メラニンを速やかに排出することで、シミ予防にもつながるでしょう。
このほか、健やかな肌を作る助けにもL-システイン
アミノ酸の一種であるL-システインは、人間の髪や爪、そして肌の原料の一つでもあります。つまりL-システインを積極的に摂取することは、速やかな原料補給につながるということ。健康的で美しい肌を作るサポートをしてくれます。
日焼けをしてしまったあとの肌は、火傷のようなダメージを負っています。より強く美しい肌を生み出すためにも、L-システインは重要な役割を果たす栄養素なのです。
色素沈着を防ぐためにはビタミンCと一緒に摂取することが重要
L-システインの美白効果・美肌効果をより一層高めるためには、ビタミンCと同時に摂取することが大切です。L-システインと同様に、肌に働きかける作用があることで知られているビタミンCは、「美白のために欠かせないビタミン」としても知られています。
ビタミンCとL-システインは、協力して働き、メラニン発生抑制や速やかな排出のために作用します。またビタミンCには、「できてしまったメラニンを無色化する」という作用も期待できます。一度黒色化してしまったメラニンを還元することで、無色化させることができるのです。
L-システインとビタミンCを同時に摂取することで、より美白効果を高めることができます。過剰なメラニン発生を防ぎ、一度黒色化してしまったメラニンを還元し、無色化しながら、スムーズな排出をサポートしてくれます。日焼けのあとの美白ケアには最適な組み合わせだと言えるでしょう。
L-システインは日焼け前にも効果的
メラニン排出作用から、「日焼けのあとに効果が期待できる」と思われがちなL-システインですが、実は日焼け前に摂取するのもオススメです。
- 特に紫外線が強そうな日
- 普段からUVケアはしているつもりだけど、ついうっかり日焼けをしてしまう人
- 一日中屋外で行動しなければいけないとき
- 日焼け止めを塗りたいけれど、肌が敏感で難しい人
このような場合には、ぜひL-システインが含まれる「飲む日焼け止めサプリメント」の摂取を検討してみてください。事前に身体の内側で、紫外線に対する対策システムを強化しておくことで、紫外線によるダメージを最小限に留められます。
もちろん普通の塗るタイプの日焼け止めとの併用も効果的です。強力な紫外線が降り注ぐ真夏の時期にはもちろんのこと、つい紫外線対策を怠りがちな秋から春の時期にも、サプリメントであれば手軽に継続していけるでしょう。
L-システイン摂取の注意点
L-システインは、非必須アミノ酸の一種で、体内でメチオニンから合成することができます。体内で合成されない必須アミノ酸ではないため、「特に注意して摂取する必要はないだろう」と考えてしまいがちですが、これは危険です。
非必須アミノ酸の一種でありながら、L-システインは体内で不足しやすいアミノ酸としても知られています。「準必須アミノ酸」と言っても良いほど、その効果を実感するためには、自分で意識して摂取する必要があります。
システインを食物から摂取したいと思ったときには、システインの分子が二つつながってできる「シスチン」が多く含まれる食べ物を選ぶことが大切です。
- 牛肉
- 豚肉
- 鶏肉
- かつお
- 伊勢海老
- カシューナッツ
- 納豆
- そば
これらの食べ物には、シスチンが豊富に含まれているので、日焼けあとのケアが気になるときにはぜひ意識してみてください。
またメチオニンを積極的に摂取することで、体内のL-システインを増やす方法も効果的です。
- 牛肉
- 豚肉
- 鶏肉
- かつお
- いわし
- さんま
- ほっけ
メチオニンもアミノ酸の一種で、肉類や魚類に多く含まれています。両方を効率よく摂取できる食品を選ぶと良いでしょう。
食品から摂取するのが難しい場合には、サプリメントを使ってより手軽に摂取するのもオススメの方法です。
過剰摂取には注意しましょう
日焼けあとのケアはもちろんのこと、事前の紫外線対策、シミケアや美肌作りに欠かせないL-システインですが、摂取の際には注意するべきポイントもあります。
- 一日の摂取量を守る
- 継続が鍵
- 過剰摂取で副作用が起きるケースも
- ビタミン類との同時摂取を
それぞれを詳しく解説していきます。
L-システインの1日当たりの推奨量は
L-システインの1日当たりの推奨量は、体重1キログラムあたり15ミリグラムです。仮に体重50キロであれば、750ミリグラムがL-システイン摂取推奨量となっています。
毎日の食事だけでこの量を満たすことは難しく、また飲酒習慣がある方は、システインが不足しやすいことがわかっています。足りない分をサプリメントで補うのがベストです。
美白効果を期待するなら継続が重要
美白効果が期待できるL-システインですが、その仕組みは体の内側から働きかけるものとなっています。あくまでも、体の作用をサポートして美白肌を目指していくことになりますから、効果が実感できるまでにはある程度の時間が必要となります。
即効性を期待するのではなく、継続して少しずつ変化を実感してみてください。最低でも1ヶ月程度は様子を見て、効果を確かめる必要があります。
過剰摂取で白髪リスクがアップすることも
L-システインは、とにかく頑張って摂取すれば良いというものではありません。一日あたりの推奨量が1,200ミリグラムを超えると、活性酸素を増やす原因になってしまうことがわかっています。
またL-システインには、メラニン生成を抑制する作用があることから、髪の黒色化が阻害されてしまう可能性も。つまり「白髪が増えるかもしれない」ということです。肌と同様に、髪の色は人の見た目年齢に大きく関わる項目です。推奨量を守って継続していくことが大切です。
L-システインを働かせるためにはビタミンが必要
美白効果や美肌効果が期待でき、日焼けのあとのケアにも最適なL-システインですが、きちんと働かせるためには同時に摂取するべき栄養素も存在しています。
先ほど挙げたビタミンCも、そのための一つ。L-システインとの組み合わせも良く、相乗効果が期待できるでしょう。
そしてもう一つが、ビタミンB6です。サプリメントで摂取するときには、これらの成分がバランスよく含まれていることを確認し、決定するのがオススメです。
日焼けのあとにできるケアは限られるからこそ
日焼けをしてしまった肌は、火傷状態になり、炎症を起こしてしまいます。「なんとかしてケアしたい!」と思うところですが、残念ながらできるケアは限られてしまいます。ひどい炎症を起こした肌に美白化粧品などを使っても、刺激が強くなってしまうだけだからです。敏感な状態のお肌に使えば、さらにトラブルを悪化させてしまう可能性も否定できません。
炎症を鎮めるためにとにかく冷やすことや、刺激の弱い化粧水を使って、水分をたっぷり補給してあげることが、日焼け後のケアの基本となります。
もしこのまま色素沈着してしまったら……と不安に思うときだからこそ、ぜひ「体の内側からのケア」を実践してみてください。
外側からのケアは難しくても、内側からのケアであれば問題なくできます。紫外線によってダメージを受けた肌を、修復に導いてくれることでしょう。継続的にケアを続けていくことで、美肌効果も期待できます。
まとめ
日焼けをしてしまった後には、速やかに肌ケアを行うことが大切です。ダメージを負った肌をそのまま放っておけば、色素沈着やシミ発生の原因になってしまうこともあるのです。
とはいえ、肌が敏感な時期だからこそ、化粧品を使って、むやみやたらと外側からのケアを頑張るのはオススメできません。方法を間違えれば、肌にとってより大きな負担を与えてしまう可能性もあるでしょう。
L-システインは、肌の内側から美肌作りをサポートしてくれるアミノ酸の一種です。メラニンの生成を抑制し、速やかに排出するための仕組みをサポートすることで、美白肌へと近づけていってくれるでしょう。日焼け後だけではなく、日焼け前の予防ケアとして摂取するのもオススメです。
日焼けあとや色素沈着に悩まされる女性にとっては非常に魅力的な成分ですが、非必須アミノ酸の一種とはいえ、体内で不足しやすいのがL-システインの特徴でもあります。日焼けあとのケアを重点的に行いたいとき、また継続的に美肌効果を実感したいときには、毎日の食事からだけではなく、サプリメントも使った効率の良い摂取を検討するのがオススメです。
「アミノ酸」と聞くと、「肉体改造」や「ダイエット」、「肝機能のサポート」などをイメージする方も多いのかもしれません。「自分には関係ないこと」と感じる方も少なくないのではないでしょうか。
しかし実際には、アミノ酸は人間の体にとって非常に身近なもので、その中には「肌」に作用するものも存在しています。日焼けダメージに負けず、健やかで美しい肌をキープしていくためにも、ぜひL-システインを積極的に摂取してみてください。