どこまで知ってる?アミノ酸の種類と働き

アミノ酸のことどこまで知ってますか
その他のアミノ酸

最近は、どこででも手軽にアミノ酸系ドリンクやサプリメントが手に入るようになりました。既に、日常的にアミノ酸を取り入れている方も多いのではないでしょうか?

その反面、アミノ酸の期待される効果や働きをよく理解して取り入れているかというと、自信をもって「YES」と答えることが出来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで、今更聞けない「アミノ酸」の種類や働き、期待される効果などについてお伝えすることにしましょう。

 

体内にあるアミノ酸の種類

まずは、アミノ酸にはどんな種類があるのか確認しておくことにしましょう。ご存知の方も多いとは思いますが、復習の意味もかねてお読み頂ければ幸いです。

体内に存在するアミノ酸には実に様々な種類のアミノ酸があります。代表的なアミノ酸として「必須アミノ酸」、「非必須アミノ酸」、「遊離アミノ酸」があります。

タンパク質を生成する材料となるアミノ酸

この内「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」は体内でタンパク質を生成するときの材料となるアミノ酸になります。

「必須アミノ酸」とは、体内で合成することが出来ないアミノ酸のことを指します。そのため食事などから摂取することが必要なアミノ酸になります。イソロイシン、トリプトファン、トレオニン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、リジン、ロイシンの9種類になります。

「非必須アミノ酸」とは、体内で他のアミノ酸から合成することが出来るアミノ酸になります。アスパラギン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、システイン、セリン、プロリン、チロシンの11種類になります。

体内でタンパク質を生成するときに必要なアミノ酸の種類は以上の20種類になります。

また、「必須アミノ酸」の特徴として「アミノ酸スコア」という考え方があります。9種類の「必須アミノ酸」が含まれているバランスを示すもので、全てがバランスよく含まれている食品はアミノ酸スコア100ということになります。鶏肉、牛肉、豚肉、鮭、ヨーグルト、鶏卵などが該当します。

単体で活躍する「遊離アミノ酸」

「遊離アミノ酸」は、タンパク質と結びつくことなく、単体で血液中などに存在して様々な活躍をしているアミノ酸です。

最近、健康食品として注目を集めているものが多くあります。テアニン、タウリン、シトルリン、オルニチン、どれも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

テアニンはお茶、タウリンはタコとイカ、シトルリンはスイカ、オルニチンはしじみに多く含まれていますので、それぞれの働きが解明されたときに、食品自体も大きく注目されましたので、覚えている方もの多いのではないかと思います。

「必須アミノ酸」は動物によって異なる

これは少し蛇足になりますが、動物にも「必須アミノ酸」というのはあるのですが、動物によって異なります。最近はご家庭でペットを飼っている方が多いのでご参考までにお伝えしておきましょう。

  • 猫: 人間の必須アミノ酸+タウリン+アルギニン
  • 犬: 人間の必須アミノ酸+アルギニン
  • 鳥: 人間の必須アミノ酸+グリシン

動物それぞれの必須アミノ酸について知っておけば、ペット達に元気に過ごしてもらうことに役立つのではないでしょうか?

生命を支えているアミノ酸

アミノ酸の主な種類について見て来ましたが、アミノ酸の働きについて見てみることにしましょう。

人間の身体のおよそ20%はタンパク質で出来ています。タンパク質はアミノ酸によって生成されていますので、人間の身体のおよそ20%はアミノ酸で出来ていると言っても過言ではありません。

もちろん、身体の組織である筋肉、内臓、血管、髪などを生成したり修復したりするためのものとしてアミノ酸は重要な役割を果たしていますが、アミノ酸の役割はこうした組織の生成だけではありません。

アミノ酸は生命活動自体を支える重要な役割を担っています。食べ物として取り入れたタンパク質は消化分解されて「アミノ酸」になります。そして、アミノ酸はそれぞれの役割を果たすために働き始めます。「必須アミノ酸」や「非必須アミノ酸」のようにタンパク質を生成するアミノ酸もあれば、「リジン」のように肝機能を向上させたり、「シトルリン」のように血管を丈夫にして血液の流れを良くしたり成長ホルモンの分泌を促進したりするアミノ酸もあります。

酸素は生きて行く上で不可欠なものですが、体内に活性酸素が過剰に存在するようになると酸化が起こってしまうようになります。こうした活性酸素の除去にも「シトルリン」などのアミノ酸がひと役買っています。

アミノ酸は、身体の組織を生成したり修復したりするだけでなく、生命維持活動自体にも重要な役割を果たしていることがお分かり頂けたのではないでしょうか。

遊離アミノ酸「テアニン」の特徴と期待されている効果

アミノ酸の研究が進むにつれて、身体の組織を生成するための材料となる「必須アミノ酸」と「非必須アミノ酸」だけでなく、単体で存在している「遊離アミノ酸」の活躍についても注目されるようになって来ています。

まずは、「遊離アミノ酸」の中でも手軽に摂取することが出来るものとして注目されている「テアニン」の特徴と期待されている効果について見てみることにしましょう。

「テアニン」の特徴

お茶に含まれているアミノ酸が「テアニン」になります。お茶の甘味やうま味に関わっている成分になります。お茶、椿、山茶花など一部の植物にのみ含まれています。

「テアニン」は最初幹の根もとの部分で生成され、葉の部分に移動して来ます。そして日光に当たることで「カテキン」に変化します。そのため、お茶の栽培時期や栽培方法、栽培場所などによって「テアニン」の含有量は異なって来ます。

中でも、日光を当てないように栽培される玉露、かぶせ茶などは「テアニン」の含有量が多くなります。また、一番茶の新芽部分も日光に当たる時間が短いため「テアニン」が豊富です。

また、お茶には「カフェイン」が多く含まれていますので興奮作用があるハズなのですが、お茶を飲むと興奮作用よりもリラックスした感じになる方のほうが多いのではないでしょうか?それは、お茶に含まれる「テアニン」にそうした興奮を鎮める作用があるからだと考えられています。

「テアニン」に期待されている効果

それでは、「テアニン」にはどんな効果が期待されているのでしょうか?次のような作用が期待されています。

1. リラックス効果
「テアニン」を摂取することでα波が出現することが確認されています。α波は、リラックスしたり寛いでいたりするときに出るものですので、「テアニン」には緊張を解きほぐしてリラックスさせる効果があると言えます。こうしたリラックス効果から「集中力向上」効果も期待されています。
2. 血流改善効果
α波が出ると筋肉の緊張がゆるみます。そのため、血液が拡張して血液の流れが改善されることになります。血液の流れが悪くなっていたことによる不調の改善も期待出来そうです。
3. 質の高い睡眠の提供
「テアニン」には神経の興奮を抑えて鎮める効果があります。そのため睡眠前に「テアニン」を摂取することで、脳の抑制系神経の働きを活発にすることで脳の興奮を抑え、入眠をスムーズにし、質の高い睡眠を得ることが出来るようになります。その結果として、疲労回復がスムーズに行われるようになります。
4. 記憶力・学習能力アップ効果
ラットを使った基礎研究において、「テアニン」を投与することで記憶力や学習能力の向上が見られるというデータも提示されています。「テアニン」が脳血液関門を通過して脳内に入り込み、神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの濃度を変化させる作用があるためと考えられています。この点については更なる研究が待たれるところです。

遊離アミノ酸「タウリン」の特徴と効果

次に、遊離アミノ酸「タウリン」の特徴と効果について見てみることにしましょう。

「タウリン」の特徴

アミノ酸の中でも「タウリン」の歴史はとても長く、1827年に発見されました。発見者はドイツの解剖学者・生理学者フリードリヒ・ティーデマンと、科学者のレオポルド・グメリンになります。ウシの胆汁から発見されたことに由来して、ラテン語で雄牛を意味するtaurus(タウラス)から命名されました。

また、「タウリン」は、厚生労働省が定める「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」に区分されているため、食品に抽出物や生成物として加えることが出来ない成分になっています。この厚生労働省による定めは、健康食品の中に病気予防や回復などを前面に打ち出したものが出現したため、医薬品と区別する必要が出て来たためです。

イカ、タコ、カキなどの魚介類に「タウリン」は多く含まれています。

「タウリン」の効果

それでは、「タウリン」の効果にはどんなものがあるか見てみることにしましょう。ここでは、「タウリン」が「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」として定められていることに基づいて、医学的に確認されている効果についてお伝えすることにします。

1. うっ血性心不全
うっ血性心不全とは、心臓のポンプ機能が不十分になってしまっていることによって、血液を送りだすことが出来なくなってしまって、血液の流れが阻害されている状態を言います。原因として、狭心症、心筋梗塞を原因とする虚血性心疾患、高血圧性心疾患、心臓弁膜症、心筋症、先天性心疾患などがあげられています。
ランダム化比較試験(RCT)によって、被験者に従来の治療に加えて4週間タウリンを摂取してもらった結果、プラセボの被験者に比べて良い治療結果が得られたと報告されています。
2. 高ビリルビン血症での肝機能改善
高ビリルビン血症とは、血中のビリルビン値が極端に上昇した状態のことを言います。ビリルビンはヘモグロビン分子の中のヘム部分のことになります。
通常は、黄色い色素に変化して、血中から肝臓に移動し、肝臓で化学変性され、胆汁に含まれて消化管へと移動して行き、便として排泄されます。白目部分や肌の色が黄色くなるのが特徴です。
ランダム化比較試験(RCT)によって、高ビリルビン血症の急性肝炎被験者を対象として行なわれました。結果として「改善した」がおよそ75%、「軽度改善した」がおよそ25%となっています。つまり被験者全てに改善の度合いの違いはあるものの肝機能改善効果を認めることが出来たことになります。

こうした医学的に確認されている効果を見るとタウリンが「肝機能」や「心臓機能」を改善する効果を大いに期待出来ると言えるのではないでしょうか?

毎日の食生活の中で積極的に取り入れたいものと言えそうです。

遊離アミノ酸「オルニチン」の特徴と期待されている効果

最後に、遊離アミノ酸「オルニチン」の特徴と期待されている効果について見てみることにしましょう。

「オルニチン」の特徴

しじみパワーとして注目を集めている「オルニチン」ですが、日本では江戸時代からしじみを「お酒の後のしじみ汁」として積極的に取り入れていました。

また、中国の明の時代に書かれた『本草綱目』の中でも、「しじみは酒毒、黄道を解し、目を明らかにし、小便を利し、脚気、熱気、湿毒を下す」と記されていますので、漢方薬としても古くから使われていたことが分かります。

「オルニチン」の特徴として、オルニチンサイクルがあります。これは、肝臓の細胞内でアンモニアを解毒するための経路で尿素回路とも言います。この回路の中で、アンモニアは無毒な尿素へと変えられます。そして、「オルニチン」は肝臓で再生され活動を続けて行きます。

また、「オルニチン」が多くふくまれているしじみにはとてもユニークな特徴があります。しじみを低温で保存すると「オルニチン」の量がドンドン上昇して行き-4℃前後がピークになります。

「オルニチン」の期待されている効果

それでは、「オルニチン」にはどんな期待されている効果があるのか確認してみましょう。

1. 疲労回復効果
エネルギーの源と言われているATP(アデノシン三リン酸)は、アンモニアによって産生が阻害されてしまいます。「オルニチン」は、オルニチンサイクルの中でアンモニアを尿素へ変える働きに大きく貢献しています。
アンモニアが尿素になり無毒化されることで、エネルギーの産生が円滑になりますので、「オルニチン」には疲労回復を促進する効果を期待することが出来ます。
2. 肝臓機能の向上・細胞の修復促進効果
オルニチンサイクルの働きを活発にして、ミトコンドリアの働きをサポートして、肝臓全体の機能を保つという働きを「オルニチン」が行なっていると考えられています。また、ミトコンドリアは細胞の修復や再生に大きく関わっていると言われています。こうしたことから、肝臓機能の向上や細胞の修復促進効果を期待することが出来ます。
3. 運動能力低下抑制効果
運動中、筋肉やエネルギーを使うことによってアンモニアが発生してしまうことをご存知の方も多いと思います。オルニチンサイクルによるアンモニアの無毒化に「オルニチン」には大きく関わっています。そのため、「オルニチン」を摂取することで、アンモニアの上昇が抑えられ、運動能力低下を抑制し、運動の持久能力向上を期待することが出来ます。

アミノ酸の種類と特徴についてお伝えして来ましたが、今後、アミノ酸の研究が進むに従って次第に新たな作用や働きが次々と発見されてくるのではないかと期待されています。

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