意外と知られていない?アミノ酸とスポーツの関わり

その他のアミノ酸

積極的にスポーツを行なっている方にとって、アミノ酸は欠くことの出来ないサポーターではないでしょうか?多くのアスリートはアミノ酸を積極的に取り入れることでパフォーマンス能力の向上や素早い疲労回復につなげています。

そこで、アミノ酸とスポーツの関係性について紐解いてみることにしましょう。

 

スポーツに欠かせない「水分補給」

スポーツを行なうときに欠くことの出来ないものとして真っ先に思い浮かぶものは何でしょうか?水分補給をアイテムげる方が多いのではないでしょうか。

水分補給についての過去の常識について、まずはご紹介しておきたいと思います。

1980年頃までの水分補給に対する考え方をご紹介していきます。この頃は、現在では常識となっている部活中の水分補給が認められていませんでした。現在では当たり前のマイボトルの持参などとんでもないことで、「運動部の部活=根性」という図式が成り立っていた時代でした。トレーニング方法も、現在では非常識とされている「うさぎ跳び」が当たり前のように行なわれていました。その後、スポーツ科学の発達によってそれまでの常識は大きく覆されることになります。

それでは、スポーツ中に水分を補給する目的について見てみましょう。

脱水症状を回避するための水分補給

夏になると毎年熱中症に対する注意が呼びかけられるようになり、多くの人が水分補給の重要性を認識しています。普段の生活の中でも汗をかくことによって失った水分を補給することが必要なのですから、より大量の汗をかいてしまう状況のスポーツ中に水分を補給することがいかに重要なことであるかは、多くの方が理解していると言えます。

そのため、スポーツ中に水分の補給を行なう目的として「脱水症状回避」をあげることが出来ます。

運動のパフォーマンス能力の維持・向上

現在、多くのアスリートがスポーツ中の水分補給を取り入れていますが、その目的として、「パフォーマンス能力の維持・向上」をあげることが出来ます。

最近の研究によって、体内の水分量とパフォーマンス能力の関係は深く結びついていることが分かって来ました。

失った水分量によるパフォーマンス能力の低下

体内の失った水分量とパフォーマンス能力の低下ついてもう少し詳しく見てみることにしましょう。

実は、体重に対しておよそ1%の水分を失ってしまうと、パフォーマンス能力の低下が始まってしまうのだそうです。

そして、体重に対しておよそ2%の水分を失ってしまうと、喉の渇きを感じ始めるようになります。身体から水分補給が必要だという合図が行なわれます。パフォーマンス能力の低下が確実に起こってはいるのですが、本人はまだ自分自身のパフォーマンス能力が低下しているという自覚はありません。

体重のおよそ3%~4%の水分を失ってしまうと、さすがにパフォーマンス能力の低下を自覚するようになります。そして、運動を続けることをキツイと感じるようになります。また、第三者が見てもパフォーマンス能力が低下していることが分かるようになります。

更に、無理をして続けてしまって、体重のおよそ5%以上の水分を失ってしまうと、集中力が著しく低下してしまい、運動を続けることが困難になって来ます。めまいや、吐き気といった症状が現れるようになります。これ以上運動を続けることは危険な状態と言えます。

水分を失うとパフォーマンス能力が低下するのは何故?

それでは、どうして水分を失うことによって、こうしたパフォーマンス能力の低下が起こってしまうのでしょうか?

身体の水分が不足してしまった状態を「脱水」と呼びますが、脱水が起こってしまうことで身体を維持する機能に様々な弊害が起こってしまうことになります。次のような弊害が起こってしまいます。

1. 体温調節機能の低下

体温調節機能が上手く出来なくなると、熱を作り出す機能と熱を放出する機能のバランスが取れなくなってしまいます。そのため、体温が上昇してしまいオーバーヒート状態になってしまいパフォーマンス能力が低下してしまうことになります。つまり、体温が上昇することで、筋肉も熱を帯びてしまい効率よく収縮することが難しくなってしまいます。

2. ドロドロ血液による血流の低下

脱水状態になってしまうと、血液の粘度が高くなり、いわゆるドロドロ血液状態になってしまいます。そのため、血液の流れが悪くなってしまい、血流量そのものも低下してしまうことになってしまいます。筋肉に必要な酸素や栄養が十分に届かなくなってしまいます。そのため、筋肉を動かす機能が低下してしまうことになります。

発汗によって失われているもの

スポーツ中の水分補給の重要性については、十分お分かり頂けたのではないかと思います。けれども、発汗によって失われているものは、水だけではありません。

そのため、体液に近い水分を補給することが運動中のパフォーマンス能力の低下を防ぐためには重要になって来ます。

そこで、発汗によって失われてしまうものについて確認しておくことにしましょう。発汗によって失われる体液には次の様なものが含まれています。どんな役割があるのか合わせてご紹介しておくことにしましょう。

ナトリウムイオン
ナトリウムイオンは、細胞の浸透圧を一定に保ったり、神経や筋肉の働きの調整を行なったりしています。ナトリウムイオンが不足してしまうと、筋肉の痙攣が起きてしまったり、血圧が下がってしまったり、場合によっては意識障害が起こってしまうこともあります。
カリウムイオン
カリウムイオンは神経や筋肉の興奮やその情報を伝える働きを行なっています。カリウムイオンが不足してしまうと、知覚障害、意識障害、脱力、麻痺なとが、起こってしまうこともあります。
カルシウムイオン
カルシウムイオンはその細胞の働きの、スイッチのような役割を果たしています。筋肉に関して言えば、筋肉の収縮のスイッチを入れるのがカルシウムということになります。
マグネシウムイオン
マグネシウムイオンにはカルシウムの量を調整したり、心臓の動きを良くしたり、三大栄養素の代謝に働きかけたりしています。そのため、マグネシウムイオンが不足してしまうと、痙攣、震え、体力や持久力の低下が起こってしまうことになります。筋肉痛やこむら返りも起こりやすくなってしまいます。
クロールイオン
クロールイオンはナトリウムイオンを中和するという重要な役割を担っています。クロールイオンが無ければ、血液は強アルカリ性になってしまうことになってしまいます。そして血液の浸透圧や動脈圧の維持という大切な役割も果たしています。

体液に含まれているイオンの働きについても合わせてご紹介しましたが、大量の汗を失ってしまうスポーツ時には、単なる水を補給するよりもこれらのイオンを含んだ水を補給した方がパフォーマンス能力の低下を防ぐためには重要で効率的であることがお分かり頂けたのではないでしょうか?

スポーツ中のエネルギーの補給

スポーツ中に補給するものとして水分について見て来ましたが、スポーツを行なう際に補給することが必要なものとして、身体を動かすための「エネルギー」が必要になって来ます。スポーツを行なうときにどんなものがエネルギー源として使われるのでしょうか?次の様なものがあります。

糖質

糖質は、炭水化物やフルーツなどに含まれていて、身体を動かすためのエネルギーとして使われています。1g当たり4kcalのエネルギーを産出することが出来ます。体内ではグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられています。糖質には「グルコース」と「フルクトース」があります。「グルコース」はエネルギーとして活用されやすいですが、「フルクトース」はエネルギーとして活用されにくいという特徴があります。

脂質

脂質も身体を動かすためのエネルギーになりますが、糖質に比べてエネルギーに変換する時間がかかってしまいます。ナッツ類や調理油などに含まれています。

脂質は1g当たり9kcal のエネルギーを産出することが出来ます。脂質は酸素と反応してエネルギーを作るという特性がありますので、無酸素運動では脂質をエネルギーに変えることが出来ません。つまり短距離走のようなスポーツではエネルギーとして利用することが出来ないことになります。

スポーツを行なうときには、糖質と脂質によって作られるエネルギーだけでは不足してしまうことがあります。そのエネルギー不足と補うために、「アミノ酸」がエネルギーとして使われるのをご存知でしょうか?

エネルギーに変化するアミノ酸「BCAA」

スポーツと相性の良いBCAA
それでは、スポーツ中にエネルギーに変化することが出来るアミノ酸にはどんなものがあるのでしょうか?スポーツドリンクとしてアミノ酸入りのものが随分と増えて来ましたので目にしたことがある方も多いのではないかと思います。次のアミノ酸がスポーツを行なっている時に筋肉でエネルギーに変化するアミノ酸として知られています。

  • バリン
  • ロイシン
  • イソロイシン

これら3種類の必須アミノ酸を総称して「BCAA」と呼ばれています。この名称はこれら3種類のアミノ酸の分子構造が枝分かれをしていることに由来しています。英語のBranched Chain Amino Acid(分岐鎖アミノ酸)の頭文字をとっています。

「BCAA」のエネルギー源として以外の役割にも注目

また、「BCAA」をスポーツ時に取り入れる効果としてエネルギーに変化する点だけでなく、筋肉を構成しているタンパク質の中に多く含まれていることから、筋肉にとってとても重要なアミノ酸である点に注目した役割にも注目されています。因みに筋タンパク質の35%がBCAAになります。

それでは、スポーツ中のエネルギー源として以外の注目されている役割について確認してみることにしましょう。

筋タンパク質の分解防止

ご存知の方も多いとは思いますが、運動中はエネルギー不足が起こってしまうと筋タンパク質の分解が起こってしまっています。つまり、筋肉のアミノ酸をエネルギーに変えてしまうため、筋肉量が減ってしまうことになります。

けれども、運動直前に「BCAA」を摂取することによって、血液中と筋肉中のBCAA濃度が上昇しますので、筋肉からエネルギーとして使われる必須アミノ酸を減らすことが可能になります。また、「BCAA」の中のロイシンには、膵臓からのインスリン分泌促進効果があります。インスリンが十分に分泌されることによって筋タンパク質を合成する働きが促進されると言われています。そのため、筋タンパク質の分解を防止しながら増加させる効果も期待されています。

中枢性疲労の軽減

また、運動前に「BCAA」を摂取する目的として、中枢性疲労の軽減があります。

疲労には大きく分けると「末梢疲労」と「中枢性疲労」があります。

「末梢疲労」とは、運動をしたときなどに感じる疲労のことで、筋肉疲労などがこれに当たります。抹消疲労は休息や睡眠をとることで回復することが可能です。

「中枢性疲労」とは、脳が疲れを感じている疲労のことで、精神的な疲労がこれに当たります。

この違いだけを見ると、スポーツをすることによって起こる疲労なので「末梢疲労」だと思われるかもしれません。

けれども、スポーツをすることで、筋グリコーゲンがエネルギーとして使われて減ってくると、脳のグリコーゲンも影響を受けて減少してくることが分かっています。

この「中枢性疲労」はとても深刻な状況を招いてしまうことがあります。疲れを感じやすくなるようになってしまい、思考の低下や、全身の倦怠感、頭痛などの症状が慢性的に起こってしまうようになってしまうとも言われています。

更に、急性的な症状として、体温調整機能の著しい低下や低血糖という状態も招いてしまうことがあると言われていますので、パフォーマンス能力の急激な低下にもつながって来ます。

こうした状況に陥らないためにも、運動前に「BCAA」を接触的に摂取して「中枢性疲労」を軽減することが大切になって来ます。

進化するアミノ酸研究とスポーツの関わり

スポーツ科学の進歩によって、常識は常に変化を続けて来ました。

身体のおよそ20%を占めるアミノ酸の重要性については、ますます高まってきていると言えます。

「必須アミノ酸」だけでなく「非必須アミノ酸」、「遊離アミノ酸」等の働きが今後ますます解明されて来ることによって、スポーツにおけるより高いパフォーマンス力や、疲れにくい身体やケガをしにくい身体を手に入れることが可能になるのではないでしょうか?

また、「BCAA」以外にも「グルタミン酸」、「システイン」、「グリシン」が結合した「グルタチオン」は免疫力の改善と免疫機能の調節の両方に役立つアミノ酸として注目されています。治癒力がアップすることで身体の修復機能もアップしますので、疲労回復効果を期待することが出来ます。

運動前のアミノ酸の摂取の目的は人それぞれですので、ダイエットを目的としている方もいれば、より高いパフォーマンス力を得ることを目的としている方もいます。

目的の種類を問わず、スポーツを行なう時に、アミノ酸を上手に取り入れることでそれらの目的をサポートすることが可能になって来ています。

目的にあったより効率的な運動をサポートするものとして、アミノ酸の果たす役割は今後ますます重要になり、更なる発展を遂げて行くのではないでしょうか?

タグ: ,

その他のアミノ酸
寒暖差による体調不良にはトリプトファン!アミノ酸で自律神経を整えよう!

季節の変わり目には、何かと体調を崩しやすい……と感じている方も多いのではないでしょうか。季節が移り変 …

その他のアミノ酸
辛い手足の冷え性を放置しない!アルギニン摂取で体内から徹底サポート!

夏場の強すぎる冷房で、辛い手足の冷えに悩まされている方も多いことでしょう。冷えが原因でストレスを抱い …

その他のアミノ酸
日本人に不足しやすいアミノ酸の種類とは?摂取のコツもご紹介!

アミノ酸は、人間の体を構成し、健やかに保つために必要不可欠な栄養素です。 体内で合成することが可能な …