最近よく聞く「BCAA」ってどんなもの?スポーツや疲労回復に効果的?

BCAAはスポーツと相性良し
その他のアミノ酸

最近注目を集めているアミノ酸と言えば「BCAA」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?アミノ酸ドリンクとしていたるところで目にする機会が多くなっています。

そこで、今注目の「BCAA」について探ってみることにしましょう。

 

「BCAA」はどんなアミノ酸?

まずは、「BCAA」とはどんなアミノ酸なのか確認しておくことにしましょう。

正式には「Branched Chain Amino Acids(分岐鎖アミノ酸)」と言います。

「ロイシン」、「イソロイシン」、「バリン」の3種類の必須アミノ酸が「BCAA」になります。アミノ酸の中でも、どうしてこの3種類が「BCAA」として注目を集めるようになったのでしょうか。

体内のタンパク質を構成している必須アミノ酸の中でも「BCAA」は、全体のおよそ40%を占めているため、筋肉を作る物質となったり、筋肉を動かすエネルギー源にもなったりすることが理由として挙げられます。 特に筋力トレーニングや運動中に「BCAA」を摂取することによって、効率的に筋肉強くしたり、肉体疲労を予防したりする効果が認められています。

そのため、多くのアスリートが競技中に「BCAA」を積極的に摂取しています。

それでは、3種類のアミノ酸の特徴についてみてみることにしましょう。

ロイシン
「ロイシン」は、1日の必要量が必須アミノ酸の中では最大のアミノ酸になります。多くの食品に含まれていることから、通常の食事をしていれば不足することはあまりないアミノ酸と言われています。
期待される効果として、筋肉の形成の促進、筋肉の損失防止、肝臓機能強化があります。
「ロイシン」が多く含まれている食品として、牛肉、レバー、アジ、サケ、かつお節、乳製品、大豆製品などがあります。
イソロイシン
「イソロイシン」は、筋肉の強化や肝機能アップが期待されています。また、血管拡張作用や体の成長を促進効果も期待されているアミノ酸です。こうした効果以外にも、近年の研究によって、血糖値の上昇の抑制と糖尿病の改善効果に大きな期待が寄せられています。
「イソロイシン」が多く含まれている食品として、鶏肉、プロセスチーズ、牛乳などがあります。
バリン
「バリン」は、筋肉の強化に効果的なアミノ酸として知られています。その他の効果として、体の成長促進、血液の窒素調整、アンモニアの代謝改善、美肌効果、食欲不振等様々な効果が期待されています。医薬品としても利用されており、低たんぱく質血症、低栄養、手術前後のアミノ酸補給として、静脈注射や点滴などに使われています。

それぞれの特徴を見てみますと、何れも「筋肉」に大きく関わる効果があることが分かります。アスリートから「BCAA」が注目されているのも当然と言えそうです。

医療現場でも活躍するアミノ酸

「BCAA」と聞くと、スポーツを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は、医療現場でも活用されています。

「BCAA」は肝硬変の検査や治療に利用されています。肝硬変患者の血液中アミノ酸を分析すると、BCAAが減少して、AAA(フェニルアラニン・チロシン)増加するという現象が見られることが分かっています。

健康な人の場合は、この比率が1:1なのですが、肝硬変患者の場合はこのバランスが崩れてしまっています。

そのため「BCAA」を多く摂取しAAAを減らすことで体内のアミノ酸バランスを整えることで、肝臓のエネルギー不足を補えば、肝臓でアルブミンの生成が増え肝硬変の予後を改善することが可能になります。

また、「BCAA」には、インスリン抵抗性改善の効果があることから、食後のインスリン上昇も緩やかで、グルコース代謝の改善効果が確認されています。メタボリックシンドロームの予防や改善にも効果が認められています。

「BCAA」には、高齢で栄養不良の透析患者の食欲不振を改善し、全体的な栄養状態を良くすることがわかりました。「BCAA」の摂取によって食欲増進、また血中アルブミン値が上がることで栄養不良が改善されることが確認されています。

更に、窒素バランスを改善するとも言われています。

実は、医療現場で活躍しているアミノ酸は「BCAA」以外にも沢山あります。ここで、少しだけ医療現場で活躍しているアミノ酸をご紹介しておきましょう。

「アルギニン」は、血管拡張作用や成長ホルモンの分泌の促進作用で知られていますが、医療現場では、免疫製剤の医薬中間体として使われています。

「グルタミン」は、免疫細胞や創傷部位の細胞分裂のエネルギー源として重要な役割を果たしているアミノ酸ですが、医療現場では、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの抗潰瘍剤として使われています。

「アスパラギン酸」は、カルシウムと化合することで、アスパラギン酸Caに合成して骨粗しょう症などの改善薬として使われています。

「システイン」は美白のアミノ酸として有名ですが、放射能性障害による白血球減少症の治療に使用されています。

「メチオニン」は、薬物中毒の解毒剤として使用されています。

アミノ酸のこうした医療現場での使用を知ると、アミノ酸には様々な可能性が秘められていることをお分かり頂けるのではないでしょうか?

やはり、身体のおよそ20%がアミノ酸で構成されていることを考えると、今後アミノ酸の研究が進むに従って予防医学としての可能性が更に広がってくるように思えます。

「バリン」の効果・特徴

「BCAA」の3種類のアミノ酸の特徴についてもう少し詳しく探ってみることにしましょう。

まずは、「バリン」の効果や特徴から見てみましょう。

「バリン」の歴史

「バリン」の歴史は1856年に始まりました。この年、ゴルプ・ベサネッツによって膵臓の抽出物から「バリン」が発見されました。そして、その23年後の1879年にはシュッツェンベルガーによって、たんぱく質の加水分解物から「バリン」を得ることに成功します。そして、フィッシャーによって化学構造が確定したのは1906年になります。

「バリン」の期待される効果

「バリン」の期待される効果には次のようなものがあります。

1. 筋肉でのエネルギー源
「バリン」は筋肉で消費されるエネルギー源になります。アミノ酸の多くは肝臓で分解されてエネルギーとして利用されるようになりますが、「バリン」はグリコーゲンや遊離アミノ酸が減少してエネルギーが不足した時に筋肉で消費されるエネルギーの源になります。
2. 筋肉の破壊防止
筋肉の成長には血液中に存在している窒素が大きく関与しています。窒素を取り込むことによって筋肉が成長する仕組みになっています。けれども、筋肉を成長させるためには、血液中の窒素と体外に放出される窒素とのバランスが取れていることが重要になります。このバランスが崩れてしまうと、体はバランスを整えようと筋肉組織を破壊して体外に窒素を放出するようになってしまいます。「バリン」には窒素が体外に放出されて血液中の窒素がマイナス状態になると窒素のバランスを調整し、筋肉の破壊を防ぐ働きがあります。
3. 美肌効果
「バリン」にはエラスチンを構成することによって、肌のハリを保つ効果があります。エラスチンは肌を内側から支える役割を果たしています。

人間の皮膚は、大きく分けると角質層、表皮層、真皮層に分けられます。真皮層の厚さはおよそ2~3mmで、主な構成成分はコラーゲンとエラスチン、ヒアルロン酸などになります。「バリン」には肌のハリを保つコラーゲン同士を結び付ける働きがあり、肌を内側から支えるエラスチンを構成することによって、肌のハリや弾力を保つ作用があります。

「ロイシン」の効果・特徴

次に、「ロイシン」の効果や特徴について確認してみましょう。

「ロイシン」の特徴

「ロイシン」は「インスリン」の分泌に関与しているアミノ酸になります。

そのため、「ロイシン」が不足すると、インスリンの分泌が減少してしまいます。血糖値が上がることでインスリンが減り、腎機能が下がったり、糖尿病の原因にもなってしまったりします。また「ロイシン」の不足によって、筋力が下がったり疲労がたまったりすると言われています。

「ロイシン」の期待される効果

それでは、「ロイシン」の期待される効果について見てみましょう。

1. インスリンの分泌促進効果
「ロイシン」には、インスリンの分泌の増加作用があるため、ブドウ糖を筋肉の細胞に取り込ませてエネルギーとするのをサポートします。また、インスリンの分泌を促進することによって、運動時の持久力や瞬発力を向上したり、運動後の筋肉の修復や強化を促進したりする効果があります。
2. ストレス緩和する効果
「ロイシン」にはエンドルフィンと同じ効果があると言われています。そのため、ストレスを緩和する作用が期待出来ます。
3. 育毛効果
「ロイシン」は、たんぱく質の構成の主要な成分ですので、毛髪を健康にし、育毛効果が期待されています。

「イソロイシン」の特徴・効果

「イソロイシン」の特徴や効果について見てみることにしましょう。

「イソロイシン」の特徴

「イソロイシン」は、サトウダイコンの糖蜜から1904年に発見されました。そして、アミノ酸としての化学構造は1907年に決定しまいた。その後、アブデルハルデン達によって1931年に「イソロイシン」の合成に成功しました。

「イソロイシン」の効果

それでは、「イソロイシン」の効果にはどんなものがあるのか、見てみることにしましょう。

1. エネルギー源確保効果
「イソロイシン」には、グルコースをグリコーゲンとして貯蔵する働きを促進する効果があります。そのため、運動時の大切なエネルギー源確保のために重要な働きをしていると言えます。
2. 疲労回復効果
「イソロイシン」には、脳の疲労を軽減する効果があると言われています。脳内にセロトニンが増え過ぎると、疲労を感じるようになると言われていますが、「イソロイシン」の血中濃度が高まると、セロトニンの生成を抑制する作用があると言われています。
3. 成長促進効果
「イソロイシン」には甲状腺ホルモンの分泌を促進し、筋肉や体の成長を促進する作用があると言われています。甲状腺ホルモンには、全身の細胞に作用して代謝を促進する働きがあります。甲状腺ホルモンによって代謝が促されることで、身長の伸びや、筋肉の形成が期待出来ます。
4. 神経機能サポート効果
「イソロイシン」には神経の働きを助けることが出来るため、脳からの指令を末端組織に迅速に伝え、判断力や反射速度をアップする作用があります。
5. 集中力向上効果
「イソロイシン」には、集中力を高める効果が期待されています。人間は、脳から指令が出されると、興奮系の神経伝達物質が放出され、そのことによって脳が興奮し集中することが出来るようになります。「イソロイシン」は興奮系の神経伝達物質となり、集中力を高める作用があります。
6. 糖尿病予防効果
「イソロイシン」には、摂取した糖質が吸収されると、筋肉へ取り込まれることを促進する作用があることが確認されています。そのため、血糖値の上昇を抑え、糖尿病への予防効果が期待出来ます。
7. 皮膚の炎症予防効果
乳児の全身性剥脱性皮疹の発症には、血中のイソロイシンが低濃度であることと関係しており、「イソロイシン」が不足してしまうことで、皮膚炎症状を引き起こすことも報告されています。そのため、「イソロイシン」が肌の健康に重要な役割を持つと考えられ、皮膚の炎症予防効果が期待されています。

「BCAA」としての特徴

「BCAA」を構成しているそれぞれのアミノ酸の特徴を見てきましたが、「BCAA」として3種類を合わせたことによって、どんな特徴が見られるようになるのか、探ってみることにしましょう。

エネルギー生成効果

運動時にエネルギーを産出するのに必要なものは、糖分、脂肪、アミノ酸になります。

「BCAA」は、アミノ酸の中でも運動前に摂取することで効率的にエネルギーを産出し、持久力をキープするために作用します。

運動中、脂肪をエネルギー源として利用するときに「BCAA」が不足していると、円滑に脂肪を燃やすことが行なえなくなってしまいます。そのため、エネルギー不足を引き起こしてしまい、運動を続けることが出来なくなってしまいます。効率のよいエネルギーの産出には「BCAA」は欠くことの出来ないアミノ酸と言えます。

疲労回復・予防効果

また、「BCAA」には疲労物質をエネルギーに変えるシステムである「クエン酸回路」を円滑に行なうために必要な成分になります。「BCAA」の不足のよってクエン酸回路がうまく機能しなくなってしまうと乳酸が溜まってしまい、疲れを感じるようになります。

乳酸によって、筋肉疲労が引き起こされてしまいます。そして、このクエン酸回路が上手く機能しなくなってしまうと、大量に筋肉の疲労が蓄積されてしまうようになり、そこから体の冷え、頭痛、凝り、血行不良などが起こり始めてしまいます。

疲労回復効果のあるクエン酸を生成するクエン酸回路を円滑に機能させることで、乳酸の蓄積を抑制することが可能になります。

そのため、「BCAA」には疲労回復効果や疲労を予防する効果が期待出来ます。

他にも、「肝臓機能の向上・改善」、「脳の疲労回復」、「運動能力向上」、「筋肉の維持」など様々な効果が期待されています。

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